9/22-26指標結果と9/29-10/5注目指標で読むFOMC見通し

経済動向

結論

9/22-26の指標は「一部強め・一部鈍化」が混在しました。特に米新築住宅販売とGDP改定の強さは消費・成長の底堅さを示す一方、PMI の鈍化や物価のしぶとさから、FOMC は利下げを段階的に進める方針が妥当と判断されます。市場はデータに敏感に反応する局面です。


理由

  • 新築住宅販売や GDP の上方改定が示すように、消費は底堅いです。
  • 一方で PMI の鈍化や PCE コアの高止まりはインフレリスクを残します。これが利下げペースを慎重にする材料です。

具体例:9/22-26 の注目経済指標

日付指標市場予想結果
9/22ユーロ圏 消費者信頼感(速報)-16.0-14.9(改善)
9/23米 S&P Global フラッシュPMI(製造/サービス)製造 53.0
サービス 54.5
製造 52.0
サービス 53.9(鈍化)
9/24米 新築住宅販売(8月、年率)約 650,000(予想)800,000(+20.5%、強い伸び)
9/25米 GDP(第2四半期・改定値、年率)+3.3%(先行推定)+3.8%(上方改定)
9/26日本 東京都区部コアCPI(前年比)+2.8%(予想・中央値)+2.5%(横ばい→やや低め)
9/26米 PCE(コアPCE、前年比)+2.9%(予想)+2.9%(コアPCE)

結果に関する考察

  • 米国:新築住宅販売と GDP の上振れは金利低下を受けた住宅需要の回復や消費の底堅さを示します。ただし、PMI の鈍化は製造中心に弱さが広がる恐れを示唆します。
  • 物価:コアPCE が +2.9% と依然高止まりで、Fed は利下げを急がない姿勢を取り続ける可能性があります。
  • 日本:東京コアCPI が予想を下回り、日銀は追加の引き締めを急がない公算が強いです。

各指標の発表が市場にもたらした動き(先週の主要指数の概況)

  • S&P 500:GDP 改定と住宅データの強さを材料に週後半は底堅く推移しましたが、PMI 鈍化が一部のセクターに売りを誘いました。
  • ナスダック:テクノロジー株は利下げ期待を織り込みつつ回復傾向。ただし PMI 鈍化の波及で短期の調整が見られました。
  • 日経平均:東京CPI が予想下振れのため上値は重く、為替の影響も受けて不安定に推移しました。

これまでの指標から想定される FOMC の動きと市場の想定(簡潔)

  • Fed の姿勢:コアPCE のしぶとさ(+2.9%)は利下げのペースを抑える要因です。一方で労働市場や消費の弱まりが続けば、Fed は段階的に利下げを進める公算が高いです。
  • 市場の想定:物価が抑制されない限り、債券利回りの上振れまたはドル高が起こり得ます。逆にデータが弱ければ利下げ期待で株高・利回り低下の動きになります。

9/29〜10/5 の日米経済指標

日付指標発表時間(日本時間)注目ポイント
9/29ユーロ圏等PMI 改定値 等22:45 頃PMI の改定で景気の先行性を確認
9/30日本各種工業統計製造業の基礎動向、輸出入の影響
10/1米国PMI / ISM 製造深夜〜早朝企業活動の拡大・縮小を示す重要指標
10/2米国ADP 雇用統計 / ISM 非製造深夜雇用・サービス業の強さが焦点
10/3米国非農業部門雇用者数(NFP)/ 失業率21:30Fed にとって最重要の雇用統計
10/5日本指標少なめ週末で重要指標は限定的

FedWatch(CME)会合別確率表(市場織り込み)

会合日(目安)市場が織り込む主要シナリオ市場確率(目安)
既開催(9月中旬)25bp 引き下げ(実施済)約96%(織り込み)
次回(10月29, 2025)追加 25bp 引き下げの確率約80〜87%(目安)
以降(12月〜)追加引き下げ(複数回)段階的に織り込まれつつある

注記:上記確率は「市場が短期金利先物で織り込む確率」の概数です。瞬間的に変わるため、最新の確率は CME FedWatch のページで直接ご確認ください。


まとめ

9/22-26 のデータは一部で強さが明確でしたが、PMI 鈍化と物価のしぶとさが同時に存在します。9/29-10/5 の重要指標群で Fed の次の一手がより明確になります。投資家は指標発表時のボラティリティに備え、分散を基本に短期のポジション管理を徹底ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました