結論:インフレの根強さと消費者心理の悪化でFOMCは利下げに慎重
9/8〜9/14に発表された米国経済指標は、インフレの持続と消費者心理の低下を示しました。これにより、FOMC(米連邦公開市場委員会)は利下げに慎重な姿勢を取る可能性が高まり、株式市場や為替に影響を与えました。
先週の主要経済指標結果一覧(9/8〜9/14)
日付 | 国 | 指標名 | 結果 |
---|---|---|---|
9/9 | 日本 | GDP改定値(Q2、年率換算) | +2.2%(予想を上回る) |
9/10 | 米国 | CPI(消費者物価指数、前年比) | +2.9%(インフレ再燃) |
9/12 | 米国 | 小売売上高 | わずかに上昇 |
9/13 | 米国 | ミシガン大消費者信頼感 | 55.4(予想58.0を下回る) |
各指標発表による市場の動き(S&P・ナスダック・日経)
- S&P 500:CPIの上昇で利下げ期待が後退しつつも、消費者心理の悪化が下支えとなり小幅上昇。
- ナスダック:成長株に資金が流入し、テクノロジーセクター中心に堅調。
- 日経平均:円安進行により輸出関連株が買われ、全体として堅調な推移。
FOMCの動きとFedWatchによる利下げ確率
日付 | 政策金利予想 | 利下げ確率 (CME FedWatch) |
---|---|---|
9/16(FOMC) | 5.00% → 4.75% | 約92% |
- CPIが+2.9%と高水準で、利下げのタイミングは慎重に判断される見込みです。
- 消費者信頼感の低下により、過度な利上げは避ける方向へ。
- FedWatchでは、9月FOMCでの利下げ確率が90%を超えており、市場はすでに織り込み済みです。
セクター別の市場反応(2025年9月時点)
好調セクター
- ハイテク・半導体:金利低下で成長株に資金流入。NVDA、AMDなどが上昇。
- 情報技術:AI関連銘柄が注目され、Microsoft関連報道も追い風。
- ヘルスケア:規制緩和報道でUNHが急騰。ディフェンシブ資金の逃避先としても強い。
軟調セクター
- 金融(地銀中心):利ザヤ縮小懸念で売られやすい。
- 素材・公益:リチウム供給過剰や金利低下で売り圧力。ALBなどが急落。
今週(9/15〜9/21)の日米経済指標と発表時間・注目ポイント
日付 | 国 | 指標名 | 時間(JST) | 注目ポイント |
---|---|---|---|---|
9/16 | 日本 | 第三次産業活動指数 | 13:30 | サービス業中心の内需動向を確認 |
9/16 | 米国 | 小売売上高 | 21:30 | 消費の勢いとソフトランディングの鍵 |
9/17 | 米国 | 住宅着工件数 | 21:30 | 金利高の住宅需要への影響 |
9/18 | 米国 | FOMC政策金利 | 3:00 | 金利据え置きか、文言変更に注目 |
9/18 | 日本 | 機械受注 | 8:50 | 設備投資の先行指標 |
9/18 | 米国 | 鉱工業生産 | 22:15 | 製造業の底入れ確認 |
9/19 | 日本 | 消費者物価指数 | 8:30 | コア物価の持続性 |
9/19 | 日本 | 日銀政策金利 | 未定 | 長短金利運用・指針の変更有無 |
まとめ:利下げ期待で株高も、セクター選びが鍵
FOMCの利下げ期待は高まっており、株式市場は強気の展開が続いています。ただし、すべてのセクターが恩恵を受けるわけではなく、ハイテク・ヘルスケア・生活必需品などが優位に立つ一方で、金融・素材・公益は慎重な見極めが必要です。今週の経済指標とFOMCの発表を前に、ポートフォリオの見直しが重要なタイミングです。
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