結論
9/1~9/5の米国経済指標の結果と石破総理の退陣を合わせると、来週以降は「株高・円安・利下げ織り込みの進展」というシナリオが想定されます。短期的にはボラティリティが高まるため注意が必要です。
9/1~9/5の米国経済指標(予想→実績)と簡単な考察
- ISM製造業(8月、9/3発表):予想 49.0 → 実績 48.7。景況は50割れで依然弱く、製造業の減速感が残ります。
- ADP民間雇用(8月、9/4発表):予想 65,000 → 実績 54,000。民間の採用ペースが鈍化しています。
- 非農業部門雇用者数(8月、雇用統計 9/5発表):予想 75,000 → 実績 22,000、失業率 4.3%。雇用の伸びが大きく下回り、労働市場の冷えが示唆されます。
これらを総合すると、米国の景気は『堅調だが一部で弱さが鮮明』という状況です。リスク選好は高まりやすい一方、政策(利下げ)期待の変化で金利・為替が振れやすくなります。
FOMCと金利の現状
- 現行のFF(フェデラルファンド)目標レンジは 4.25%–4.50%、実効金利は約 4.33% です。
- 市場は9月のFOMC(米国時間 9/16–17、 日本時間だと 9/18 に結果が出る可能性)での25ベーシスポイントの利下げを高確率で織り込んでいます。
- 短期の市場織り込みでは、25bp利下げの確率が約 93%、一方で50bpの大幅利下げは一桁台の確率と見られており、25bpが最有力です。
理由
- 米国の雇用関連データが予想を下回り、景気下振れリスクが意識されているため、早期の利下げ期待が強まったためです。
- 日本では石破総裁の退陣で財政拡大期待が浮上し、株買い・円売りが入りやすくなったためです。
具体例(来週の日米経済指標と注目ポイント)
日付 | 国 | 指標 | 注目ポイント |
---|---|---|---|
9/9 | 日本 | GDP改定値 | 成長率の上方修正は株高材料 |
9/10 | 米国 | CPI(消費者物価) | インフレ加速で利下げ観測が後退する可能性 |
9/11 | 日本 | 機械受注 | 先行きの設備投資を占う指標 |
9/12 | 米国 | 小売売上高 | 個人消費の強さを確認する材料 |
9/13 | 米国 | ミシガン大消費者信頼感 | 個人心理の変化を読む指標 |
注目点は「米国の物価・雇用データ」と「日本の政局・成長率」です。短期的には米指標でドル円や長短金利が大きく動きます。
まとめ
9/1~9/5の結果は、市場が9月の利下げをほぼ織り込む方向に傾いたことを示しています。石破総裁の退陣は日本株に追い風となり得ますが、米国の金利期待の変化で為替と金利は不安定になりやすい点に注意が必要です。
コメント