8月11-17日 米経済指標とCPI・PPIから見る現状

経済動向

結論

現在のアメリカ経済は、消費や雇用が弱含む中、インフレはゆるやかに再加速し、利下げ期待は揺らぎつつも、株価は支えられている難しい局面にあります。

理由

  • CPI(消費者物価指数):7月の総合CPIは前年同月比 +2.7 %、コアCPI(除く食品・エネルギー)は +3.1 %(前月2.9%から上昇)と、サービスが主に押し上げており、物価圧力が再び出ています。
  • PPI(生産者物価指数):7月のPPIは前月比 +0.9 %と予想を大きく上回り、前年比では +3.3 %(6月の2.4%から上昇)。コアPPI(食品・エネルギー除く)も +3.7 %で3年ぶりの高水準になっています。
  •  消費者感情指数:購買意欲低下や先行き不安があり、消費には慎重な動きが継続しています。
  • 雇用の伸び:7月の新規雇用数は約 73,000人と鈍く、5〜6月にかけて大幅な下方修正も確認され、景気後退の懸念が高まっています。

具体例

  • CPIの内訳:食品は横ばい、エネルギーは低下する一方、サービス関連(住居、医療、航空運賃など)が上昇し、コアCPIを押し上げている状況です。
  • PPIの内訳:物価上昇は、食料品(野菜+約 39%など)やトレードマージンの上昇(業者間での利益幅拡大)などが主因。サービス価格の上昇が7割以上を占め、物価転嫁の動きが強まっています。

再結論(まとめ)

米経済は現在、「消費・雇用の弱さ」と「サービス主導のインフレ加速」という二つの動きが交錯し、政策判断は非常に難しい局面です。利下げ期待は弱まる一方で、株価の堅調さやインフレの“急上昇”ではない点が、まだ政策余地を残しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました